文献詳細
特集 再建外科
II.再建部位による再建材料の選択と再建方法
文献概要
はじめに
喉頭癌は嗄声などの症状により比較的早期に癌が発見され,放射線治療,部分切除術,レーザー治療などにより高治癒率が期待できるようになった今日でも,喉頭摘出術(以下,喉摘と略)が進行例や根治照射後再発例の最終的でかつ確実な治療手段として用いられている。しかし,喉摘により喉摘者は喉頭が本来もっ機能を喪失することになる。喉頭は三大機能,すなわち①呼吸,②嚥下時の下気道の保護,③音声機能を有する。したがって,喉摘後の喉頭再建ではこれらを再建することが理想といえる。しかし,喉摘後に経鼻呼吸を可能にしたうえで,嚥下時に括約機能を保持させて下気道を保護することは容易ではない。このため,頸部に気管孔を設けることにより経気管呼吸を行わせ,気道を食物路から分離することにより下気道を保護することになる。このように,喉頭の機能再建は音声機能の再建に限定されているのが現状である。
喉頭癌は嗄声などの症状により比較的早期に癌が発見され,放射線治療,部分切除術,レーザー治療などにより高治癒率が期待できるようになった今日でも,喉頭摘出術(以下,喉摘と略)が進行例や根治照射後再発例の最終的でかつ確実な治療手段として用いられている。しかし,喉摘により喉摘者は喉頭が本来もっ機能を喪失することになる。喉頭は三大機能,すなわち①呼吸,②嚥下時の下気道の保護,③音声機能を有する。したがって,喉摘後の喉頭再建ではこれらを再建することが理想といえる。しかし,喉摘後に経鼻呼吸を可能にしたうえで,嚥下時に括約機能を保持させて下気道を保護することは容易ではない。このため,頸部に気管孔を設けることにより経気管呼吸を行わせ,気道を食物路から分離することにより下気道を保護することになる。このように,喉頭の機能再建は音声機能の再建に限定されているのが現状である。
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