文献詳細
原著
Reye症候群の1症例の側頭骨病理所見
著者: 中本吉紀1 大平泰行2 加我君孝3 野崎秀次4 小川恵弘5
所属機関: 1岩手県立磐井病院耳鼻咽喉科 2埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科 3東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室 4埼玉県立小児医療センター神経科 5埼玉県立小児医療センター病理部
ページ範囲:P.341 - P.345
文献概要
Reye症候群は,1963年にオーストラリアのReyeら1)によって報告された小児の急性脳症と肝障害を生じる原因不明の疾患である。しかも症状の経過も急激であり,高率に死に至る重症な疾患である2)。病理学的変化は脳浮腫や肝臓の脂肪変性が特徴とされ,出血傾向を伴うことも多い3,4)。
しかし側頭骨病理に関する報告は,これまでRaulら5)の1例しかなく,Reye症候群の側頭骨病理変化の詳細は不明な点が多い。今回われわれは,Reye症候群症例の側頭骨病理を観察する機会を得たので,Raulら5)の症例との比較も含め報告する。
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