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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科71巻6号

1999年05月発行

原著

歯科材料による上顎洞異物の1症例

著者: 墨一郎1 川端五十鈴1 田部浩生1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.357 - P.360

文献概要

 はじめに
 上顎洞は小さい自然孔で外界に通じる腔であり,この自然孔からの異物の進入は少ない。したがって,上顎洞にみられる異物は外傷などの外力によって上顎洞骨壁を破壊して上顎洞に達したもの(外傷性)と医療行為が原因で上顎洞内に進入あるいは残存したもの(医原性)の2つに大別される。そして近年,外傷性よりも医原性異物が増加する傾向にある1)
 上顎洞底に隣接した歯槽突起には歯牙が存在するので,医原性上顎洞異物には歯根や歯牙などの歯科に関係するものが多くみられる。さらに,歯牙の治療に用いられる歯科器材や歯根充填材などの治療用具の迷入が報告されている1〜5)。われわれは最近,歯根管充填材の1つであるガッターパーチャポイントが上顎洞内に迷入し,しかも7年間の長期にたわって滞留していたという興味ある症例を経験したので,その臨床像を記載するとともに若干の考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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