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原著
放射線障害と外耳道の真珠腫様病態
著者: 石原明子1 奥野秀次1 野口佳裕1 小松崎篤1
所属機関: 1東京医科歯科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.425 - P.428
文献購入ページに移動頭蓋内や頭頸部の腫瘍に放射線治療を行うと,側頭骨が照射野に入る場合がある。この際,放射線による障害として滲出性中耳炎,外耳炎,骨壊死などが生じることはよく知られており1),われわれも以前,側頭骨壊死症例について報告している2)。しかし,放射線障害による外耳道の真珠腫様病態に関しての報告は数少ない3,4)。
外耳道の真珠腫様病態を考える際には,外耳道真珠腫と閉塞性角化症の2つの病態を考慮する必要がある5,6)。発生原因を含め,これら両者の異同に関して定説は確立していないが,Piepergerdesら5)は,外耳道真珠腫では骨障害が,閉塞性角化症では皮膚障害が関与するとしている。放射線照射は皮膚と骨組織双方に障害を起こす可能性があり,放射線障害による外耳道の真珠腫様病態の成因は,閉塞性角化症と外耳道真珠腫の議論からも興味がもたれる。われわれは放射線障害によると考えられた真珠腫様病態の3症例を経験したので報告する。
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