耳鼻咽喉科・頭頸部外科71巻8号

1999年07月発行

原著

側頸部より副咽頭間隙に進展した脂肪腫の1症例

著者： 清水啓成¹ 曽爾信行¹ 原睦子¹ 馬場道忠¹ 徳永英吉¹

所属機関： ¹上尾中央総合病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.517 - P.520

文献概要

　はじめに
　脂肪腫は軟部組織から発生する腫瘍の中ではその発生頻度は少なくなく，全身の各種臓器に発生する。しかし，耳鼻咽喉科領域における脂肪腫の発生頻度は低い^1,2）。また，脂肪腫は発育が緩慢であり自覚症状に乏しいために，ときに大きく進展した症例に遭遇する。今回われわれは，右側頸部より副咽頭間隙に発生した巨大な脂肪腫の1例を経験したので，その概要を報告する。