文献詳細
文献概要
原著
治療中に急性増悪したワルダイエル輪のリンパ腫型ATLの1例
著者: 古謝静男1 稲嶺智広1 糸数哲郎1 松村純1 新濱明彦1 平良直也2 真栄田聡子2 大城一郁2 野田寛1
所属機関: 1琉球大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2琉球大学医学部第二内科学教室
ページ範囲:P.575 - P.579
文献購入ページに移動耳鼻咽喉科領域ではワルダイエル輪の悪性リンパ腫は比較的多く経験する。B細胞性リンパ腫が多いが,T細胞性リンパ腫も少なくない1)。ワルダイエル輪に発生するT細胞性悪性リンパ腫の中には成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-I)により発症する成人T細胞白血病(ATL)のリンパ腫型(リンパ腫型ATL)があり,これらの症例は予後が不良である2)。通常リンパ腫型ATLは白血化することなくリンパ腫として経過するとされている3)。今回われわれは,治療中に急性増悪し白血化したワルダイエル輪のリンパ腫型ATLの1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
掲載誌情報