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連載 小児の耳鼻咽喉科・頭頸部外科シリーズ
⑫副鼻腔炎の取り扱い
著者: 中澤勉1 岡本美孝1
所属機関: 1山梨医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.701 - P.706
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小児副鼻腔炎の発生頻度は1950〜1965年代には30〜60%と高率1)であり,その多くは細菌感染による化膿型が中心であった。その後の経済的繁栄により栄養状態も良好となり,衛生環境の改善,50年代より使われ始めた抗生物質,さらに60年代後半には各種消炎酵素剤の開発などにより,罹患率の低下(10〜20%)2)や軽症化3,4)が報告されている。その反面で鼻アレルギーの増加がわが国でも認められ,アレルギーが副鼻腔炎の病因・病態に関わるアレルギー性副鼻腔炎が増加しているといわれている。また,成人のそれとは異なり鼻・副鼻腔は発育段階にあり自然治癒傾向をもち,寛解と増悪を繰り返す不安定な病態を呈している。
小児副鼻腔炎の発生頻度は1950〜1965年代には30〜60%と高率1)であり,その多くは細菌感染による化膿型が中心であった。その後の経済的繁栄により栄養状態も良好となり,衛生環境の改善,50年代より使われ始めた抗生物質,さらに60年代後半には各種消炎酵素剤の開発などにより,罹患率の低下(10〜20%)2)や軽症化3,4)が報告されている。その反面で鼻アレルギーの増加がわが国でも認められ,アレルギーが副鼻腔炎の病因・病態に関わるアレルギー性副鼻腔炎が増加しているといわれている。また,成人のそれとは異なり鼻・副鼻腔は発育段階にあり自然治癒傾向をもち,寛解と増悪を繰り返す不安定な病態を呈している。
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