文献詳細
原著
耳下腺腺房細胞癌の1症例—その診断と治療方針
著者: 池田進1 河田了1 北原民雄1 荒木倫利1 牧本一男1 竹中洋1 前田環2 辻求3
所属機関: 1大阪医科大学耳鼻咽喉科学教室 2大阪医科大学第二病理学教室 3大阪医科大学中央検査部・病理
ページ範囲:P.767 - P.770
文献概要
耳下腺腺房細胞癌は,耳下腺悪性腫瘍の十数%を占めるものの1,2),耳下腺腫瘍症例が多い施設でも5年に1例経験する程度の稀な腫瘍であるため,その治療に困難を感じることが少なくない。しかも,耳下腺ではその中に顔面神経が貫通しているため,その処理が最も問題となる。また,腺房細胞癌は一般に悪性度が低く,症状の進行が緩慢であるため,良性腫瘍として手術が施行されることがある。
今回われわれは,耳下腺腺房細胞癌症例を経験したので,症例を報告するとともに,その診断と手術方針について考察した。
掲載誌情報