文献詳細
原著
鼻中隔後端より発生した若年性鼻咽腔血管線維腫の1症例
著者: 長谷川武1 浅田貴彦1 川端五十鈴1
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.897 - P.900
文献概要
鼻咽腔血管線維腫は,一般に思春期の男性に好発し,鼻出血や鼻閉をもって発見されることが多い。組織学的には良性腫瘍であるが,拡張性増殖腫大と易出血性のため一般的に治療に苦慮する。Coenen1)やBrunner2)によると,発生部位は鼻咽腔の天蓋部に多いとされている。鼻咽腔以外に発生する血管線維腫は,われわれの調べ得た範囲では1973年以後自験例を含め31例であり,少数である3〜5)。しかし鼻腔,特に鼻中隔より発症した症例の報告もみられる6〜11)。今回われわれは,17歳の男性の鼻中隔後端から発生した血管線維腫の1例を経験したので,臨床所見,病理所見,治療法など若干の文献的考察を加えて報告する。
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