文献詳細
原著
迷路瘻孔症例の検討
著者: 松本宗一1 中村光士郎2 黒川浩伸3 菊池孝2
所属機関: 1興生総合病院耳鼻咽喉科 2愛媛県立中央病院耳鼻咽喉科 3黒川耳鼻咽喉科医院
ページ範囲:P.929 - P.933
文献概要
慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎の手術ではしばしば迷路瘻孔を認めることがあり,その頻度は中耳炎手術症例の10%前後ともいわれ決して少なくない1)。しかし,その処置に関しては様々な意見があり1〜6),いまだ取り扱いについての結論は得られていないのが現状である。
われわれは,術中に迷路瘻孔を確認できた9例につき,臨床症状,手術前後のめまいと聴力の推移に関して検討し,軟骨板を用いた迷路瘻孔の閉鎖方法が特にめまいに対して効果的と思われたので報告する。
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