耳鼻咽喉科・頭頸部外科72巻2号

2000年02月発行

原著

当院における聴神経腫瘍の診断と診療科の検討

著者： 坂本徹¹³ 福田諭¹ 澤村豊² 犬山征夫¹

所属機関： ¹北海道大学医学部耳鼻咽喉科学教室 ²北海道大学医学部脳神経外科学教室 ³現：札幌厚生病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.121 - P.124

　はじめに
　聴神経腫瘍は蝸牛・前庭神経症状で初発することが多いことから，ほとんどの症例は耳鼻咽喉科を初診するとされるが，耳鼻咽喉科で診断されることはさほど多くはないといわれてきた^1）。近年の耳鼻咽喉科医の聴神経腫瘍に対する関心の高まりとMRIの進歩と普及に伴う耳鼻咽喉科医の聴神経腫瘍診断における役割について，自験例を基に検討を加えたので報告する。