文献詳細
文献概要
原著
耳鳴の苦痛度と心理検査成績の関連性の検討
著者: 山際幹和1 服部玲子1
所属機関: 1松阪中央総合病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.131 - P.134
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耳鳴を訴える患者は,ときに多彩な身体的・精神的自覚症状を有し,その診療に際しては,心身医学的アプローチが要求される場合が稀ではない。
耳鳴の重症度と心理的障害の程度の関連性の有無に関しては,海外では諸家の意見が大きく分かれている。すなわち,耳鳴の重症度と抑うつ状態や不安の強さの間には密接な関連があるとする報告1,2)がある一方で,それらの間には何ら有意の関連性はないとする報告もあり3),中には,ある特殊な例に限ってのみ関連性を認めたとする中間的な見解も存在する4)。他方,わが国では,それを標的とした研究成績の論文報告は数少ない5〜8)。
耳鳴の苦痛度と心理的苦悩の強さの関連性の有無が把握できれば,耳鳴患者の診療を行ううえで有意義であり,筆者らはその有無の解明を目的として臨床的研究を行った。
耳鳴を訴える患者は,ときに多彩な身体的・精神的自覚症状を有し,その診療に際しては,心身医学的アプローチが要求される場合が稀ではない。
耳鳴の重症度と心理的障害の程度の関連性の有無に関しては,海外では諸家の意見が大きく分かれている。すなわち,耳鳴の重症度と抑うつ状態や不安の強さの間には密接な関連があるとする報告1,2)がある一方で,それらの間には何ら有意の関連性はないとする報告もあり3),中には,ある特殊な例に限ってのみ関連性を認めたとする中間的な見解も存在する4)。他方,わが国では,それを標的とした研究成績の論文報告は数少ない5〜8)。
耳鳴の苦痛度と心理的苦悩の強さの関連性の有無が把握できれば,耳鳴患者の診療を行ううえで有意義であり,筆者らはその有無の解明を目的として臨床的研究を行った。
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