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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科72巻4号

2000年04月発行

原著

頭頸部悪性腫瘍の治療後に発症した骨髄異形成症候群の1例

著者: 井口芳明1 小川克二1 山本一博1 落合敦1 伊藤昭彦1 安達仁2

所属機関: 1横須賀市立市民病院耳鼻咽喉科 2北里大学医学部耳鼻咽喉科学教室 3防衛医科大学校耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲:P.264 - P.267

文献概要

 はじめに
 骨髄異形成症候群(myelodysplastic syn-drome:以下,MDSと略)は造血幹細胞の障害の結果,無効造血をきたし,貧血,穎粒球減少症,血小板減少症が様々な程度に起こる疾患である1,2)。前白血病としての特徴をもつ疾患で,緩徐に発症し初期には無症状か,あっても軽度の貧血症状が大部分であるが,進行すれば白血病化が知られ1),その発症機序や取り扱いについてはまだ未解決の部分がある。本症候群は中高齢者に多く,貧血から始まる症例が多く,高齢者の貧血をみた際の鑑別疾患の1つである2)。特発性および続発性のものが認められ,続発性は治療誘発性ともいわれ,放射線曝露,化学療法薬などが原因とされている1)。今回われわれは,悪性リンパ腫の加療後2年を経て喉頭炎をきたし,その入院中に治療誘発性MDSと思われた症例を経験したので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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