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原著
内視鏡下髄液鼻漏閉鎖手術時の一工夫—フルオレセイン色素の局所使用
著者: 西平茂樹1 中田吉彦1 坂本賢生2
所属機関: 1秋田県厚生連雄勝中央病院耳鼻咽喉科 2秋田大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.291 - P.294
文献購入ページに移動経鼻的な髄液鼻漏閉鎖手術では,手術中に髄液漏出が認められず,明らかな骨欠損部や硬膜損傷部も見いだされない場合,広範囲の天蓋粘膜剥離を余儀なくされることが多い。仮に髄液漏出が認められた場合でも,漏出部が非常に小さな瘻孔で髄液の流出も少量の場合には,その流れの向きを判読するのに難渋する。今回,内視鏡下経鼻髄液鼻漏閉鎖手術時にフルオレセイン色素を術創局所に塗布したところ,漏出する髄液が色素を洗い流して線状となり,流れをたどることでピンホール状の瘻孔が容易に確定された症例を経験した。症例を詳述し同色素の局所使用に関して報告する。
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