文献詳細
文献概要
特集 全身疾患と耳鼻咽喉科 Ⅰ.呼吸器疾患
2.気管支喘息とアレルギー性鼻炎
著者: 岩瀬朗子1 馬場廣太郎1
所属機関: 1獨協医科大学耳鼻咽喉科気管食道科教室
ページ範囲:P.13 - P.17
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気管支喘息とアレルギー性鼻炎は,ともに気道アレルギーの代表的疾患である。IgEの関与するI型アレルギーによるといわれ,抗原の侵入により気管支喘息では咳嗽,喘鳴を伴う呼吸困難が,アレルギー性鼻炎ではくしゃみ,水様性鼻汁,鼻閉が出現する。両者の合併例も多く,その診断と治療においてはそれぞれ相互の疾患の理解が必要不可欠である。
アレルギー体質(アトピー素因)は,その型式は明らかではないが,遺伝することが知られている。臨床上アレルギー体質を有する個体に様々な抗原が侵入し,時間を変えていくつかのアレルギー疾患を発症する現象をアレルギーマーチと呼ぶ。近年,このアレルギーマーチの進展を断つことで,その後のアレルギー疾患の発症を予防することができるのではないかと考えられている。
また,アレルギー疾患は近年増加傾向が著しく,特にアレルギー性鼻炎では発症の低年齢化も指摘されている。その要因は,①住環境の変化によるダニの増加,②乳幼児期を含む食生活の変化,③大気汚染の進行,④ストレスの増加,⑤寄生虫感染の減少などが挙げられている。今後ますます増加および低年齢化するであろうアレルギー性鼻炎の診断・治療に当たっては,気管支喘息などの他のアレルギー疾患の合併を常に念頭におき,耳鼻咽喉科医単独ではなく,内科医や小児科医との協同診療体制が必要と考える。
気管支喘息とアレルギー性鼻炎は,ともに気道アレルギーの代表的疾患である。IgEの関与するI型アレルギーによるといわれ,抗原の侵入により気管支喘息では咳嗽,喘鳴を伴う呼吸困難が,アレルギー性鼻炎ではくしゃみ,水様性鼻汁,鼻閉が出現する。両者の合併例も多く,その診断と治療においてはそれぞれ相互の疾患の理解が必要不可欠である。
アレルギー体質(アトピー素因)は,その型式は明らかではないが,遺伝することが知られている。臨床上アレルギー体質を有する個体に様々な抗原が侵入し,時間を変えていくつかのアレルギー疾患を発症する現象をアレルギーマーチと呼ぶ。近年,このアレルギーマーチの進展を断つことで,その後のアレルギー疾患の発症を予防することができるのではないかと考えられている。
また,アレルギー疾患は近年増加傾向が著しく,特にアレルギー性鼻炎では発症の低年齢化も指摘されている。その要因は,①住環境の変化によるダニの増加,②乳幼児期を含む食生活の変化,③大気汚染の進行,④ストレスの増加,⑤寄生虫感染の減少などが挙げられている。今後ますます増加および低年齢化するであろうアレルギー性鼻炎の診断・治療に当たっては,気管支喘息などの他のアレルギー疾患の合併を常に念頭におき,耳鼻咽喉科医単独ではなく,内科医や小児科医との協同診療体制が必要と考える。
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