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特集 全身疾患と耳鼻咽喉科 Ⅷ.感染症・腫瘍・その他
3.AIDSと耳鼻咽喉科
著者: 荒牧元1
所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.195 - P.198
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わが国のHIV感染症は,厚生省の発表によれば平成11年12月末現在3,403人,AIDS例は1,576人が報告されている。近年,献血件数のHIV抗体陽性例の割合が増加傾向にあるため,今後AIDS例が増加するものと思われる。
AIDSの病態は細胞免疫不全による全身疾患であるが,HIV感染者の40%以上に特に初発症状として頭頸部に症状が生じると報告されている。したがって,これまで耳鼻咽喉科領域ではHIV感染症に遭遇する機会は少ないと考えられていたが,むしろ耳鼻咽喉科医はAIDSの症状を観察する機会が多いと考えられる。AIDSはSTD (性感染症)であり,他のSTDを合併していることがある。近年,梅毒の合併が指摘され,われわれも梅毒性口角炎併発のHIV陽性例を経験している。したがって,耳鼻咽喉科医は常にAIDSの症状に注意しながら日常診療に当たらなければならない。
本稿では主に口腔咽頭におけるAIDS症状について述べる。
わが国のHIV感染症は,厚生省の発表によれば平成11年12月末現在3,403人,AIDS例は1,576人が報告されている。近年,献血件数のHIV抗体陽性例の割合が増加傾向にあるため,今後AIDS例が増加するものと思われる。
AIDSの病態は細胞免疫不全による全身疾患であるが,HIV感染者の40%以上に特に初発症状として頭頸部に症状が生じると報告されている。したがって,これまで耳鼻咽喉科領域ではHIV感染症に遭遇する機会は少ないと考えられていたが,むしろ耳鼻咽喉科医はAIDSの症状を観察する機会が多いと考えられる。AIDSはSTD (性感染症)であり,他のSTDを合併していることがある。近年,梅毒の合併が指摘され,われわれも梅毒性口角炎併発のHIV陽性例を経験している。したがって,耳鼻咽喉科医は常にAIDSの症状に注意しながら日常診療に当たらなければならない。
本稿では主に口腔咽頭におけるAIDS症状について述べる。
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