文献詳細
原著
文献概要
はじめに
下咽頭梨状窩瘻は鰓溝由来の疾患として報告されてきた1)。Takaiら2)によって1979年に急性化膿性甲状腺炎の感染経路として記載され,共同研究者のMiyauchiら3)がpyriform sinus fistulaの名称を使い始めて以来,本邦において多くの症例が報告されるようになった4,5)。
この疾患は化膿性甲状腺炎や側頸嚢胞,あるいは原因不明の頸部膿瘍として取り扱われ,診断が困難な場合がしばしばある。
今回,われわれは確定診断まで何度も膿瘍を繰り返した1例を経験したので報告する。また,炎症が何度も繰り返されるため,術野で瘻孔を見いだすことが困難となるので,種々の同定方法が工夫されてきた6〜15)。この同定方法についても言及する。
下咽頭梨状窩瘻は鰓溝由来の疾患として報告されてきた1)。Takaiら2)によって1979年に急性化膿性甲状腺炎の感染経路として記載され,共同研究者のMiyauchiら3)がpyriform sinus fistulaの名称を使い始めて以来,本邦において多くの症例が報告されるようになった4,5)。
この疾患は化膿性甲状腺炎や側頸嚢胞,あるいは原因不明の頸部膿瘍として取り扱われ,診断が困難な場合がしばしばある。
今回,われわれは確定診断まで何度も膿瘍を繰り返した1例を経験したので報告する。また,炎症が何度も繰り返されるため,術野で瘻孔を見いだすことが困難となるので,種々の同定方法が工夫されてきた6〜15)。この同定方法についても言及する。
掲載誌情報