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原著
頸部リンパ節生検によりバザン硬結性紅斑と診断された症例
著者: 岩崎幸司1 黒田玲子1 宇佐神篤1 橋爪一光2 山中克二3 小澤享史4 種田泉5 橋本泰幸6
所属機関: 1県西部浜松医療センター耳鼻咽喉科 2県西部浜松医療センター呼吸器科 3県西部浜松医療センター皮膚科 4県西部浜松医療センター病理科 5浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室 6沼津市立病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.373 - P.375
文献購入ページに移動結核は,一部には過去の疾病と認識されてきたが,近年,結核罹患率が増加しており,中耳結核や咽頭・喉頭結核など耳鼻咽喉科における日常診療においても注意が必要である。
結核の皮膚病変で,結核疹の1つであるバザン硬結性紅斑は専門医以外には鑑別が難しく,そのため結核の治療が遅れる場合がある。
今回われわれは,数年来下腿に圧痛を伴う紅斑があり,皮膚生検の結果,バザン硬結性紅斑が疑われた症例を経験した。本例は胸部などに結核性病変がなかったため原因が不明とされ,経過中頸部リンパ節の腫大を認めたため生検を施行した。その結果,リンパ節結核と診断され,結核の治療を行い皮膚症状が軽快した。文献的考察を加えて報告する。
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