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原著
鼻腔に発生した多形腺腫および悪性多形腺腫の2症例
著者: 古宇田寛子12 竹生田勝次1 西嶌渡1 寺邑公子1 君塚幸喜1
所属機関: 1埼玉県立がんセンター耳鼻咽喉科 2東京医科歯科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.445 - P.449
文献購入ページに移動多形腺腫は耳下腺,顎下腺などの大唾液腺に好発するが,小唾液腺の存在する口腔,口蓋にも発生し,稀に鼻腔,咽喉頭,気管,涙腺にも発生するといわれている1〜6)。大唾液腺と小唾液腺に多形腺腫が発生する比率は,Bergmanら7)によると6:1とされている。
われわれは,鼻中隔に発生し鼻側外切開にて摘出後,再発をみない1症例と,稀な鼻腔原発悪性多形腺腫の1症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する。後の1例は寺邑ら8)の報告した症例と同一症例であるが,前報告が途中経過のものであったため,詳細を報告する。
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