文献詳細
原著
初診時突発性難聴が疑われた小脳梗塞の1例
著者: 糸数哲郎1 玉城三七夫1 城間勲2
所属機関: 1医療法人敬愛会中頭病院耳鼻咽喉科 2医療法人敬愛会中頭病院内科
ページ範囲:P.497 - P.500
文献概要
一般に感音難聴,耳鳴を伴った回転性めまいは,突発性難聴やメニエール病などの内耳性疾患が予想される。しかし,脳血管障害や聴神経腫瘍などの中枢性疾患の初期症状として,同様な症状が出現することが報告されている1〜4)。一般に中枢性疾患によるめまいでは,他の神経症状を伴っていればその診断は困難ではないが,めまい,難聴以外の神経症状が明らかではない場合には,鑑別診断が困難なことも少なくない。
今回われわれは,急速に発症した高度感音難聴耳鳴,回転性めまいから初診時突発性難聴が疑われ,その後小脳症状が出現し,MRIで小脳梗塞と診断された症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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