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原著
扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍の臨床的観察—再発と扁桃摘出術の適応について
著者: 宮下武憲1 武田純治2 山本美佐子3 小林隆一1 森望1
所属機関: 1香川医科大学耳鼻咽喉科学教室 2坂出市立病院耳鼻咽喉科 3永康病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.518 - P.521
文献購入ページに移動扁桃周囲炎・扁桃周囲膿瘍は,口蓋扁桃を包む扁桃被膜と咽頭収縮筋との間の疎性結合織の炎症で,多くは膿瘍を形成する1)。一般的には,扁桃実質の炎症が被膜下に及んで起こるとされているが,扁桃上極の被膜外間隙に局在する粘液腺(Weber腺)が原因とする説もある2)。一方,治療方針としては,急性期の治療終了後,再発予防目的に扁桃摘出術を行うべきとする考え方と不要とする考え方があり3〜9),いまだ一定の方針は得られていない。今回われわれは,その成因を調査し,また治療方針を決定する目的で,扁桃周囲膿瘍あるいは扁桃周囲炎の診断で香川医科大学附属病院耳鼻咽喉科で治療を行った62例の臨床像を中心に検討を行った。
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