文献詳細
原著
縦隔膿瘍に至った深頸部感染症の1症例
著者: 片田彰博13 横山貴康2 中島築3 畑山尚生3 原渕保明1
所属機関: 1旭川医科大学耳鼻咽喉科学教室 2遠軽厚生病院耳鼻咽喉科 3旭川厚生病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.533 - P.537
文献概要
抗生物質の発達した現在においても,口腔,咽頭の感染巣の処置が不完全であるために,深頸部感染症を引き起こした症例がよく報告されている1)。これらの報告の中には,縦隔まで炎症が波及したり,急激な病態の変化をきたして死に至るケースも散見されており1),深頸部感染症を管理する医師には的確な判断と対処が要求されると考えられる。
筆者らは,深頸部感染症から縦隔に膿瘍を形成した症例に対して,サンプドレーンによる持続的な縦隔洗浄を行い救命し得た症例を経験したので,深頸部感染症に対する治療上の留意点について考察を加え報告する。
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