文献詳細
原著
鼓膜所見の正常な先天性耳小骨固着症—小児の手術症例の検討
著者: 金玉蓮1 山岨達也1 加我君孝1
所属機関: 1東京大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.609 - P.613
文献概要
中耳奇形の1つである外耳道,鼓膜が正常な先天性耳小骨固着症は,聴覚検査法の進歩で幼小児期に発見されることが多くなった。本疾患は手術により聴力の改善が期待できるが,その病変は様々であり,手術も単なる耳小骨連鎖の再建からアブミ骨手術まで様々な手技が必要となる。このため,聴力改善は必ずしも容易ではない。今までこの疾患についていくつかの報告があるが1〜6),小児の手術症例についての報告は稀である。
今回,われわれは先天性耳小骨固着症の小児の手術症例について検討したので報告する。
掲載誌情報