文献詳細
原著
術前診断が困難であった外耳道異物症例
著者: 守本倫子1 川城信子1 獅山冨美子1 土橋信明1 坂井真2
所属機関: 1国立小児病院耳鼻咽喉科 2茅ヶ崎中央病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.621 - P.623
文献概要
幼小児はまだ足元がおぼつかないため外傷の頻度が高く,時としてそれが思いがけず大事故につながることもある。しかし,大人と異なり本人からの情報が得にくく,また家族も外傷の既往と現在の症状は関連しないと判断して診察時に伝えないこともあるため,医師は外傷の状況や情報が不十分なままに診察せざるを得ず,誤った診断を下すことも少なくない。
今回われわれは,難治性の耳漏を主訴に来院して,外傷から5か月後にようやく異物の存在の可能性が疑われ,外科的に異物を摘出した口蓋経由の外耳道異物の小児症例を経験したので,若干の考察を加え報告する。
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