文献詳細
文献概要
Current Article
内耳の可塑件について
著者: 山下裕司1
所属機関: 1山口大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.9 - P.13
文献購入ページに移動 はじめに
近年の神経系における可塑性の研究の進歩には目を見張るものがある。内耳における可塑性の研究も,これらの研究の展開と相まって新しい段階を迎えていると言える。遺伝性難聴の原因遺伝子も同定され,遺伝子治療も具体的に語られるようになってきた。しかし,突発性難聴をはじめとする内耳疾患において,どのような機序により内耳機能が回復するのか,どの部位において再生が認められるのかに関しては不明な点が多い。
本稿では,哺乳動物の内耳における再生研究に関して整理するとともに,われわれの知見を加えて報告する。内耳の機能回復と関連して障害後に再生する可能性のある部位として,1)内耳神経,2)内耳感覚細胞,3)ラセン靱帯の3点に注目して述べていきたい。
近年の神経系における可塑性の研究の進歩には目を見張るものがある。内耳における可塑性の研究も,これらの研究の展開と相まって新しい段階を迎えていると言える。遺伝性難聴の原因遺伝子も同定され,遺伝子治療も具体的に語られるようになってきた。しかし,突発性難聴をはじめとする内耳疾患において,どのような機序により内耳機能が回復するのか,どの部位において再生が認められるのかに関しては不明な点が多い。
本稿では,哺乳動物の内耳における再生研究に関して整理するとともに,われわれの知見を加えて報告する。内耳の機能回復と関連して障害後に再生する可能性のある部位として,1)内耳神経,2)内耳感覚細胞,3)ラセン靱帯の3点に注目して述べていきたい。
掲載誌情報