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手術・手技
中咽頭癌術後の咽頭・舌弁による二期的再建術
著者: 田中信三12 田辺正博1 与那嶺裕1 箕山学1
所属機関: 1大阪赤十字病院耳鼻咽喉科 2現:京都大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.71 - P.75
文献購入ページに移動中咽頭癌の切除手術で中咽頭の上側壁が大きく欠損する場合は,一期的に有茎や遊離の筋皮弁で再建することが多い。しかし,再建に用いた組織量が不足していたり再建皮弁に部分壊死が生じると,顕著な鼻咽腔閉鎖不全が残ることがある。また,再建術に伴う採皮部の瘢痕形成を避け手術侵襲を小さくするために,癌切除後に上側壁欠損を再建しないままで経過をみる症例もある。本稿ではこのような症例を「切りっ放し」例と呼称する。これらの例では,当然,嚥下機能や構音機能が障害されるので,二期的に再建術を行う必要がある。最近,われわれは、上側壁の二期的再建法として,上方有茎の咽頭弁を口蓋に縫合し舌可動部の患側1/3を有茎弁として咽頭弁を裏打ちする手術を行い,良好な結果を得ている。再建組織量の不足例1例,再建皮弁の部分壊死例1例,「切りっ放し」例1例の3症例について報告する。
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