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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科73巻11号

2001年10月発行

原著

高度視力障害を呈した急性副鼻腔炎の1症例

著者: 村川哲也1 甲能直幸1 中之坊学1 前川仁1 北原哲1

所属機関: 1防衛医科大学校耳鼻咽喉科学講座

ページ範囲:P.759 - P.762

文献概要

 はじめに
 鼻・副鼻腔炎に併発する眼合併症は様々あるが,中でも眼窩内感染症の原因のほとんどは眼窩周囲組織からの炎症の波及であり,特に鼻・副鼻腔疾患に続発する例が多いといわれている1)。抗生物質が普及する以前には眼窩蜂窩織炎の17%が死亡し,生存例でも20%が失明していた1)。近年,診断法の進歩や抗生物質の発達により,早期診断と適切かつ効果的な治療が行われるようになり,生命および視機能の予後が飛躍的に向上したものの,一方では脳膿瘍や眼窩骨髄炎などの重篤な合併症をきたした症例が現在でも散見される2〜4)。したがって,臨床的あるいは眼窩周辺の画像上の特徴を捉えておくことは,治療方針の決定や合併症の予防をするうえで重要と思われる。
 今回われわれは,高度視力障害を呈し治療に苦慮した急性副鼻腔炎の1症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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