文献詳細
原著
舌全摘・再建術後の嚥下・構音機能が良好であった中咽頭再発癌の1症例
著者: 末田尚之1 柴田憲助1 加藤寿彦1 菅村真由美1 樋口仁美1 山野貴史1 小倉朋子1 原田博文1 大慈弥裕之2
所属機関: 1福岡大学医学部耳鼻咽喉科学教室 2福岡大学医学部形成外科学教室
ページ範囲:P.867 - P.871
文献概要
頭頸部癌では,根治術に伴う嚥下・構音などの生理的機能の障害や喪失ならびに顔面の醜形が問題となることが多い。その際,患者にとってのこのような問題点を少しでも軽減させることが,癌の根治とともにわれわれ臨床医に与えられた命題である。そこで当科では,舌半側以上の切除術を行った症例に対しては,遊離腹直筋皮弁や大胸筋皮弁を用いての再建術を施行している。しかし,一般に舌全摘出術を行った揚合,術後の誤嚥の問題から喉頭を温存できない症例が多い。
今回われわれは,中咽頭癌再発症例(rT4NOMO)において,喉頭を温存し舌全摘出術および遊離腹直筋皮弁による再建術を施行し,術後の嚥下・構音機能を比較的良好に保つことができた症例を経験したので報告する。
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