文献詳細
文献概要
原著
瞬目反射からみた顔面神経麻痺の回復—R1,R2とも単一の波形となった症例
著者: 豊岡志保1 栢森良二1 三上真弘1
所属機関: 1帝京大学医学部リハビリテーション科
ページ範囲:P.150 - P.154
文献購入ページに移動 はじめに
瞬目反射は,その遠心路は顔面神経全長を含むため,顔面神経麻痺の評価に用いられる1)。従来,末梢性顔面神経麻痺では乏シナプス回路である早期成分R1の回復の早い症例の病態は脱髄であり,過誤支配が起きないと言われてきた1〜3)。
今回,3週間以内に麻痺側のR1が回復したにもかかわらず,のちに過誤支配を生じた3症例を経験した。その瞬目反射の波形の特徴はR1,R2ともに単一波形を繰り返すものであった。以下に症例報告とその波形出現のメカニズムを推測したので述べる。
瞬目反射は,その遠心路は顔面神経全長を含むため,顔面神経麻痺の評価に用いられる1)。従来,末梢性顔面神経麻痺では乏シナプス回路である早期成分R1の回復の早い症例の病態は脱髄であり,過誤支配が起きないと言われてきた1〜3)。
今回,3週間以内に麻痺側のR1が回復したにもかかわらず,のちに過誤支配を生じた3症例を経験した。その瞬目反射の波形の特徴はR1,R2ともに単一波形を繰り返すものであった。以下に症例報告とその波形出現のメカニズムを推測したので述べる。
掲載誌情報