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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科73巻3号

2001年03月発行

連載 手術・手技シリーズ

③鼓膜形成術

著者: 馬場俊吉1

所属機関: 1日本医科大学附属千葉北総病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.241 - P.244

文献概要

 はじめに
 永久鼓膜穿孔は鼓膜を観血的に閉鎖することにより治癒する。現在,鼓膜穿孔を閉鎖する目的として,鼓室形成術と鼓膜形成術が行われている。一般的に鼓室形成術1型と鼓膜形成術が同義語のごとく述べられていることが多い。しかし,鼓膜形成術が穿孔閉鎖を主眼にした術式であるのに対し,鼓室形成術I型は穿孔閉鎖と耳小骨連鎖の確認,上鼓室,乳突洞,乳突蜂巣の肉芽の確認と除去および鼓室腔と乳突蜂巣の交通確認を目的としており両者は全く異なった手術方法である。両者の共通事項として,穿孔閉鎖により鼓膜と卵円窓の面積比が上がり聴力が改善することである。このため,両者とも術前にI型のパッチテストで聴力が改善し,耳小骨連鎖に異常のないことを確かめておく必要がある。また,鼓膜形成術では,術前CTで鼓室,乳突洞,乳突蜂巣に炎症のないことを確認しておくとよい。
 本稿では両者の適応と手術方法について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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