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原著
頸部リンパ節腫脹を初発とした非精上皮腫性精巣腫瘍の1例
著者: 吉田征之1 橋本省1 小岩哲夫1 浅田行紀1 横山純吉1
所属機関: 1東北大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科
ページ範囲:P.305 - P.308
文献購入ページに移動精巣胚細胞性腫瘍は,後腹膜腔を中心にリンパ節転移を認めることが多いが,ときに頸部や縦隔にかけて非常に広範な転移巣を有することがある1)。シスプラチンを中心とした化学療法の進歩により,こうした広範な転移巣に対しても劇的な治療効果が得られるようになったが,化学療法後残存腫瘍に対する救済外科療法も治療において重要な役割をもつている2)。
今回われわれは,頸部リンパ節転移を初発症状とした精巣胚細胞性腫瘍に対し,化学療法後に残存した頸部から骨盤腔内に至る巨大な腫瘍を,他科との共同により外科的に摘出した症例を経験したので,この救済外科療法の適応について考察した。
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