icon fsr

文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科73巻5号

2001年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の新しい器械,器具

Ⅰ.ナビゲーションシステム

3)頭頸部手術

著者: 友田幸一1 村田英之1 高島雅之1

所属機関: 1金沢医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.23 - P.27

文献概要

 はじめに
 一般に外科医は術前に自分の頭の中(イメージ空間)で手術のシミュレーションを行い,その三次元的イメージに基づいて手術を行っているが,医師個人の経験と技量に差があり,また頭蓋底手術のように複数科の医師によって手術が行われる場合,お互いが同じイメージをもっているとは限らない。医師のイメージ空間の代わりにコンピュータ上の仮想空間をディスプレイすることができれば,三次元的イメージが客観的,定量的になり,しかもチームで同じ画像を見てコミュニケーションをしたり,手術計画アプローチを立てることができるようになる。さらに,この仮想空間が現実の空間(術野)と位置的に正確に対応するように位置合わせ(registration)すれば,手術中に随時参照して適切な判断を下すことが可能になる。このような観点から発案されたのが手術ナビゲーションシステムである。すなわち,三次元ポインターである一点を指すと,ただちにその点を含む断層画像が表示され,その画像上に今指している箇所がマークされる。
 耳鼻咽喉科・頭頸部領域の手術は,眼窩,頭蓋底など危険部位が隣接しており,また重要な神経,血管が走行するなど解剖学的に複雑で,個人差が多く存在する。今日,ナビゲーションシステムは,鼻・副鼻腔の手術でその有用性が数多く報告されているが1〜4),頭頸部,頭蓋底手術に関してはまだ少ない5〜9)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら