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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科73巻5号

2001年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の新しい器械,器具

Ⅱ.画像機器

2.内耳の3D-MRI

著者: 枝松秀雄1

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.49 - P.55

文献概要

 はじめに
 三次元画像が必要な理由とは
 人体は三次元的に構成されているが,従来のX線情報ではCTに代表されるような二次元的な切断面における情報が主体であった。このため,各断面の不連続な画像情報を基にして病変の範囲や病態そのものを視覚的に統合して把握することは容易ではなく,必ずしも理解しやすい視覚材料とはいえない。
 特に内耳のように蝸牛,前庭,三半規管,内耳道など複雑な立体構造1〜3)を有し,またその大きさがミリ単位の微細な器官では従来の二次元的な情報では,たとえ経験を積んだ耳鼻咽喉科の専門医であっても画像診断が困難な場合がある。
 一方,最近のコンピュータ技術の著しい発展に伴って,最新の画像撮影機器が臨床の各分野に新しく導入されたため4),耳鼻咽喉科領域における様々な病態の画像診断にも三次元画像(CT,MRI)が可能となってきた。
 特に内耳の三次元(3 Dimensional)MRIでは,解剖の図譜を見るように内耳の膜迷路の全体像を立体的に観察できるため,内耳奇形の詳細な解剖学的観察が可能である。また,3D-MRIで得られる画像情報は,人工内耳の術前検査として蝸牛内に電極挿入のためのスペースが存在することを確認したり5),聴神経腫瘍の内耳道内の同定などにも有用である。また,内耳性の難聴やめまいに対しても新しい画像診断6,7)の可能性が生まれようとしている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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