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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科73巻6号

2001年05月発行

トピックス 耳鼻咽喉科・頭頸部外科と遺伝子解析

3.難聴と遺伝子

著者: 福島邦博1 西﨑和則1

所属機関: 1岡山大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.353 - P.356

文献概要

 はじめに
 ヒトの難聴の原因となる遺伝子についての研究は1992年,常染色体優性遺伝家系からの解析によるDFNA 1の発見が嚆矢となり,positional clon-ingのアプローチが盛んに行われるようになった。これとほぼ並行する形で,難聴モデルマウスを用いた遺伝子同定のアプローチが,ヒトでの難聴遺伝子を同定するための強力なツールとしてこの研究を大きく進展させ,さらにいくつかの分野では内耳のcDNAライブラリーがこの研究を前進させてきた。こうした努力の結果として,現在までに非症候群性難聴では70を超える遺伝子座が報告されており,その一部は既にクローニングされてきた。こうした研究成果は,いくつかの遺伝子の機能解析を経て,聴覚と感音性難聴に関する新しい視点をもたらし始めている。
 本稿では,主として非症候群性難聴に関連する遺伝子の中で,クローニングされているものに関してその機能面を中心に概説し,遺伝子解析がもたらした難聴に関する新しい概念を紹介していく。なお,個々の遺伝子の詳細や遺伝子異常については遺伝性難聴homepage1,2)に掲載しているので,こちらを参考にされたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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