文献詳細
手術・手技
経蝶形骨洞手術における工夫—洞内観察によるSella-Clivus Recessの確認および術中指標としての利用法を中心に
著者: 新島京1
所属機関: 1中津病院脳神経外科
ページ範囲:P.475 - P.480
文献概要
1907年,Schlofferによって始められた下垂体腺腫に対する経蝶形骨洞手術は,1910年,Cushingによって下垂体腺腫に対する標準的な手術法として確立された。この術式は,彼からDottに,そしてDottからGuiotへと伝えられた。Guiotのもとでこのアプローチを修得したHardy1)は1962年,術中X線透視を用いた顕微鏡下の経蝶形骨洞手術法を確立した。
いわゆるHardy法2)と呼ばれるこの術式は,低侵襲で重篤な合併症も少なく,ここ40年の間に普及の一途をたどってきた。また,MRIをはじめとする画像診断機器の進歩に伴って,腺腫の正確な情報を術前に得ることができるようになったので周到な手術計画が可能となり,手術器械の改良と相まって手術手技3,4)そのものもよりいっそう洗練されつつある。
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