耳鼻咽喉科・頭頸部外科73巻8号

2001年07月発行

原著

めまいを初発症状とした椎骨動脈解離性動脈瘤の1症例

著者： 新井基洋¹ 樋口彰宏¹ 伊藤能成¹ 持松泰彦² 川崎隆³ 伊藤邦泰³ 林洋⁴

所属機関： ¹横浜赤十字病院耳鼻咽喉科 ²横浜赤十字病院脳神経外科 ³横浜赤十字病院放射線科 ⁴横浜赤十字病院内科

ページ範囲：P.496 - P.501

　はじめに
　椎骨動脈解離性動脈瘤は後頭蓋窩くも膜下出血の原因の28％を占めるといわれ^1），最近脳神経外科領域で注目されている疾患である。また，前駆症状としてめまい，後頸部痛を呈することが多いとされ^1,2），脳神経外科医のみならず神経耳科医もその存在は知っておくべきである。
　今回われわれは，めまいを主訴で横浜赤十字病院を受診した椎骨動脈解離性動脈瘤症例を経験したので，その概要に若干の文献的考察を加えて報告する。