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文献概要
原著
下咽頭類基底細胞癌の1例
著者: 横山哲也1 金田裕治1 佐藤宏昭1 村井和夫1 佐藤孝2
所属機関: 1岩手医科大学耳鼻咽喉科学教室 2岩手医科大学第2病理学教室
ページ範囲:P.56 - P.59
文献購入ページに移動類基底細胞癌(basaloid squamous cell carci-noma)は,1986年Wainら1)によって初めて報告された扁平上皮癌の一亜型であり,頭頸部領域を中心に上気道や上部消化管に好発する。欧米では1991年WHOの頭頸部領域における組織分類に記載が追加され,臨床的に高率なリンパ節転移および遠隔転移をきたす予後不良な疾患として認知されている。しかし,本邦では頭頸部癌取扱い規約に記載がないように,類基底細胞癌という組織型自体の認知度が低く,好発部位である頭頸部における報告は少ない。
今回われわれは,下咽頭に発生した類基底細胞癌の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。
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