文献詳細
原著
眼窩内膿瘍をきたした前頭洞炎の1症例
著者: 井上真規1 小勝敏幸1 渡辺牧子1 堀内長一2 佃守2
所属機関: 1平塚共済病院耳鼻咽喉科 2横浜市立大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.69 - P.72
文献概要
画像診断や抗生剤,抗菌剤が発達した現在では,副鼻腔炎による眼窩内合併症は著しく減少している。さらに,眼窩内合併症をきたしてもそのほとんどが適切な抗生剤投与で治癒し得るようになった。しかし,高度の視力障害を生じた症例や頭蓋内にまで炎症が波及した症例に対しては,早期の外科的治療が必要と考えられている1)。
今回われわれは,前頭洞炎から眼窩内膿瘍をきたし,外科的治療により眼窩上壁の骨穿孔を確認した症例を経験したので報告する。
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