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原著
小児良性発作性めまい症の2症例
著者: 大島章1 佐々木修1 伊沢真奈美1 梅垣油里2 宇佐美真一1
所属機関: 1信州大学医学部耳鼻咽喉科教室 2市立岡谷病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.679 - P.682
文献購入ページに移動良性発作性めまい症(benign paroxymal vertigo:BPV)は,小児期に発症する発作性反復性非てんかん性のめまい疾患で,1964年Basser1)により初めて報告された。発症年齢は2〜4歳で,発作時に患児は「回る,倒れる」と訴え,立っていることができなくなるが,意識は保たれる。発作は数秒から数分続き,1〜3か月に1回程度起きるが自然寛解する場合が多く,ときに片頭痛に移行する症例があるとされている2)。本疾患は欧米では小児におけるめまい疾患として比較的よく知られているが,本邦ではほとんど知られていない。
今回われわれは,BPVと思われる2症例を経験したので,その神経耳科学的所見を中心に報告する。
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