文献詳細
原著
血液透析患者に発症した原発性喉頭結核の1症例
著者: 佐藤重規14 高橋邦明1 山木万里郎2 戸川真一3
所属機関: 1茨城県立中央病院耳鼻咽喉科 2茨城県立中央病院腎臓内科 3茨城県立中央病院呼吸器内科 4現:龍ヶ崎済生会病院耳鼻咽喉科
ページ範囲:P.689 - P.692
文献概要
近年,再興感染症として結核が世界的に注目されている。本邦においても新規登録患者数結核罹患率ともに上昇傾向にある1〜3)。喉頭結核は肺結核に続発するものがほとんどであり,結核患者の増加に伴い再度報告が散見されるようになってきた3〜10)。近年の傾向としては,症状が軽微で肉芽腫型のものが増加し,喉頭癌との鑑別が重要となってきている3〜7,10)。
今回,血液透析中に喉頭結核を発症し,喉頭癌との鑑別の点で診断に苦慮した1症例を経験したので報告する。
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