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鏡下咡語
突発性難聴の50年
著者: 立木孝1
所属機関: 1日本聴覚医学会
ページ範囲:P.784 - P.785
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「突発性難聴」を,1つの疾患,または疾患の候補として初めて報告したのは,1949年,DenmarkのRas-mussen (Acta Otolaryngo1,Vol 37)である。わが国では,最初の症例報告が1954年3月,日耳鼻大阪地方会第71回例会で大川内,佐藤両氏によってなされている(日耳鼻,57巻)。本症に関する私の最初の論文発表は1955年(耳鼻咽喉科,27巻)であったから,突発性難聴研究の歴史は世界でも,日本でも,ほぼ50年ということになる。
Rasmussenは15年間に18例を経験し,その14例を治療して1例が回復したとしているが,大川内,佐藤両氏の例は2例,55歳男性,28歳女性で,ともにピロカルピン・クールで軽快したという。この大川内,佐藤両氏の報告例は,ピロカルピンがステロイドに変わっただけで,今われわれがみる突発性難聴例と変わらない。
「突発性難聴」を,1つの疾患,または疾患の候補として初めて報告したのは,1949年,DenmarkのRas-mussen (Acta Otolaryngo1,Vol 37)である。わが国では,最初の症例報告が1954年3月,日耳鼻大阪地方会第71回例会で大川内,佐藤両氏によってなされている(日耳鼻,57巻)。本症に関する私の最初の論文発表は1955年(耳鼻咽喉科,27巻)であったから,突発性難聴研究の歴史は世界でも,日本でも,ほぼ50年ということになる。
Rasmussenは15年間に18例を経験し,その14例を治療して1例が回復したとしているが,大川内,佐藤両氏の例は2例,55歳男性,28歳女性で,ともにピロカルピン・クールで軽快したという。この大川内,佐藤両氏の報告例は,ピロカルピンがステロイドに変わっただけで,今われわれがみる突発性難聴例と変わらない。
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