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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科74巻12号

2002年11月発行

特集 急性感音難聴

2.メニエール病—発症・増悪因子を探る

著者: 高橋正紘1

所属機関: 1東海大学医学部耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.837 - P.841

文献概要

 I.環境要因と行動特性
 メニエール病は現在も根本的治療法のない難病である。診断基準1),疫学2),病態,実験的内リンパ水腫,内リンパ水腫の検査,内耳電気現象(蝸電図)など多方面の研究がなされてきた。最近は内リンパ水腫の起因物質として,水代謝に関わる蛋白(アクアポリン)に作用するストレス・ホルモン(ADH)が注目されている3)。疫学調査では,メニエール病患者の几帳面,神経質な傾向,女性優位,発症誘因として肉体的,精神的過労や睡眠不足が報告されている2)。しかし,内リンパ水腫との結びつきは今ひとつはっきりしない。
 筆者らは従来の報告を参考にして4,5),5年前に次の仮説を立て調査研究してきた6〜10)。a)メニエール病の成因は環境要因と個人の行動特性(性格)が生み出すストレスである。b)本疾患はストレスによる他の身体症状(心身症)と成因を共有する。c)準備状況は広く一般集団の中にあり,少数が典型的なメニエール病として発症する。これらを裏づけるために,a)日常の過ごし方,b)ストレスを生む行動特性傾向(性格),c)ストレスとなる環境要囚,d)ストレス解消となる気分転換手段,e)白律神経失調的な身体症状,を評価するアンケートを作成した11,12)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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