文献詳細
特集 急性感音難聴
文献概要
I.ムンプスについて
1.概念・病因1,2)
ムンプスは「流行性耳下腺炎」,「おたふく風邪」とも呼ばれる急性ウイルス性伝染性疾患である。原因はムンプスウイルスで,ヒポクラテスの時代より,耳から頬部にかけての腫脹を認め,さらに睾丸の腫脹を伴う疾患であることが記載されている。1934年に本疾患がウイルスによって起こることが証明され,このウイルスはパラミキソウイルス群に属するRNAウイルスである。血清型は1つでヒトのみが感染する。
感染形式はヒトキャリアよりの飛沫などによる直接接触感染で,ウイルスは呼吸器上皮細胞に侵入し,鼻咽頭粘膜上皮で一次増殖し,次いで所属リンパ節でさらに増殖してウイルス血症を起こし,全身の易感受性の臓器に感染が拡大する。易感受性の臓器としては腺組織と中枢神経系が挙げられ,腺組織としては唾液腺,膵臓,睾丸,副睾丸,卵巣などが,中枢神経系の1つに内耳(蝸牛,前庭)が挙げられる。年長児や成人では症状が強いとされる。ウイルスは唾液,脳脊髄液,血液,尿から分離される。
1.概念・病因1,2)
ムンプスは「流行性耳下腺炎」,「おたふく風邪」とも呼ばれる急性ウイルス性伝染性疾患である。原因はムンプスウイルスで,ヒポクラテスの時代より,耳から頬部にかけての腫脹を認め,さらに睾丸の腫脹を伴う疾患であることが記載されている。1934年に本疾患がウイルスによって起こることが証明され,このウイルスはパラミキソウイルス群に属するRNAウイルスである。血清型は1つでヒトのみが感染する。
感染形式はヒトキャリアよりの飛沫などによる直接接触感染で,ウイルスは呼吸器上皮細胞に侵入し,鼻咽頭粘膜上皮で一次増殖し,次いで所属リンパ節でさらに増殖してウイルス血症を起こし,全身の易感受性の臓器に感染が拡大する。易感受性の臓器としては腺組織と中枢神経系が挙げられ,腺組織としては唾液腺,膵臓,睾丸,副睾丸,卵巣などが,中枢神経系の1つに内耳(蝸牛,前庭)が挙げられる。年長児や成人では症状が強いとされる。ウイルスは唾液,脳脊髄液,血液,尿から分離される。
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