文献詳細
原著
上皮小体重複腺腫の1例
著者: 石原明子13 西嶌渡1 竹生田勝次1 角卓郎1 黒住昌史2
所属機関: 1埼玉県立がんセンター耳鼻咽喉科 2埼玉県立がんセンター臨床病理部 3東京医科歯科大学頭頸部外科学教室
ページ範囲:P.947 - P.950
文献概要
複数の上皮小体に腫大がある場合には,一般的に過形成を考えるが,稀にいずれもが腺腫の場合がある。このような症例は,術前の診断は困難であり,病理組織診断が重要となる。
今回われわれは,初回手術で正常部位の上皮小体腫瘍を摘出した後にも上皮小体機能亢進症が改善せず,99mTc-MIBIシンチグラフィーで精査したところ異所性上皮小体腫瘍を認め,これを2回目の手術で摘出した後に血清カルシウム値が低下した上皮小体の重複腺腫の1例を経験した。その確定診断に至るまでの経緯を呈示し,若干の文献的考察を加えて報告する。
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