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原著
感音難聴を認めた顔面神経麻痺小児の1例
著者: 田中克典1 宇良政治1 大輪達仁1 野田寛1
所属機関: 1琉球大学医学部耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.136 - P.140
文献購入ページに移動顔面神経麻痺は,原因不明の特発性顔面神経麻痺(いわゆるBell麻痺)が大多数の症例を占めるとされているが,神経学的所見や画像診断などで適切な診断をしてから治療を施すことが重要である。しかし,小児の場合は検査の協力が得られないことが多く,神経学的検査や画像診断が行いにくいためか,十分な検索を行わずに経過観察や薬物療法が行われている例も存在する。
今回われわれは,Bell麻痺と診断されていた4歳女児で,軽度ながら感音難聴を認めたことで内耳道から脳幹部にかけての病変を疑いABRやMRIを施行したところ,脳幹部腫瘍を認めた症例を経験したので報告する。
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