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唾液腺疾患の多彩な病理像
著者: 吉原俊雄1
所属機関: 1東京女子医科大学耳鼻咽喉科学教室
ページ範囲:P.175 - P.184
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唾液腺腫瘍の病理組織像は極めて多彩であり,各腫瘍の臨床経過,細胞の形態,免疫組織学的特徴などこれまで数多くの研究がなされている。組織の多彩さから病理診断の困難なものでは,病理医によって意見が異なることもあり,しばしば術後の治療方針の選択に苦慮する。また,1972年のWHO分類以後,1991年に新たに改訂された分類は表1のごとくであり,研究サイドからは極めて興味ある分類である一方,実際に治療に携わる臨床医にとってはやや詳細に過ぎる感があるのも否めない。
これまで唾液腺腫瘍の形態学的研究は,免疫組織学や電子顕微鏡(以下,電顕と略)の発展とともに既に多くの報告がみられ,診断の一助となってきた。
本稿では,筆者がこれまで診断,手術に当たった症例の電顕像や報告例を呈示しながら,唾液腺腫瘍の病理像の多彩さを示したい。さらに,腫瘍のみならず唾液腺腫脹をきたす疾患群の臨床像とその組織像について,特に微細形態学の面からも解説したい。
唾液腺腫瘍の病理組織像は極めて多彩であり,各腫瘍の臨床経過,細胞の形態,免疫組織学的特徴などこれまで数多くの研究がなされている。組織の多彩さから病理診断の困難なものでは,病理医によって意見が異なることもあり,しばしば術後の治療方針の選択に苦慮する。また,1972年のWHO分類以後,1991年に新たに改訂された分類は表1のごとくであり,研究サイドからは極めて興味ある分類である一方,実際に治療に携わる臨床医にとってはやや詳細に過ぎる感があるのも否めない。
これまで唾液腺腫瘍の形態学的研究は,免疫組織学や電子顕微鏡(以下,電顕と略)の発展とともに既に多くの報告がみられ,診断の一助となってきた。
本稿では,筆者がこれまで診断,手術に当たった症例の電顕像や報告例を呈示しながら,唾液腺腫瘍の病理像の多彩さを示したい。さらに,腫瘍のみならず唾液腺腫脹をきたす疾患群の臨床像とその組織像について,特に微細形態学の面からも解説したい。
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