耳鼻咽喉科・頭頸部外科74巻3号

2002年03月発行

原著

手術治療を要した木村病の4例

著者： 武田靖志¹⁵ 赤木博文² 結縁晃治² 小川晃弘² 西﨑和則² 岡本伸³ 山下安彦¹ 赤木成子⁴

所属機関： ¹三原赤十字病院耳鼻咽喉科 ²岡山大学大学院医歯学総合研究科　耳鼻咽喉・頭頸部外科学 ³備前市国保市立備前病院耳鼻咽喉科 ⁴岡山赤十字病院耳鼻咽喉科 ⁵現：岡山赤十字病院耳鼻咽喉科

ページ範囲：P.221 - P.225

文献概要

　はじめに
　木村病^1）は耳下部，顔面，頸部の皮下とリンパ節を中心にした無痛性の腫瘤を生じ，末梢血の好酸球増多やIgE高値をしばしば認める病因不明の良性疾患である。現在でも確立された治療法は報告されていない^2）。
　今回われわれは，手術的治療を要し，その後抗アレルギー剤投与を行った耳下腺木村病の4例を経験したので，そのうち3症例を呈示するとともに文献的考察を加えて報告する。