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文献概要
はじめに
CTとMRIとは,鼻・副鼻腔の腫瘍性病変の診断においてはおそらく相補的な役割を果たし,CTは骨ならびに骨との境界の診断に,MRIは軟部組織の分解能と頭蓋内,あるいは眼窩内進展の診断に有用である1)。しかし,日常の鼻・副鼻腔疾患の多くは慢性炎症性疾患であり,画像診断の目的は手術を前提とした局所解剖,すなわちロードマップであるので,内視鏡下副鼻腔手術を行うには骨の条件の冠状断層CTが最適で,MRIの適応はない1,2)。MRIがCTに優る場合は,細胞数が多く自由水の少ない病変と分泌物(漿液性,粘液性)を多く含み自由水も多い病変の鑑別ができる点にある3)。
鼻・副鼻腔疾患におけるMRIの撮像には,一般にspinecho法(SE法と略)が用いられ,T1強調画像(解剖学的な構造の描出)とT2強調画像(病巣の検出,性状診断)の両者を撮像する。プロトン密度強調画像はT2強調画像と同時に撮像でき,T2強調画像よりS/N比(信号雑音比)が高いので,病巣とその周辺の解剖学的な構造が明瞭に描出され有用な場合がある4)。腫瘍性病変一般,病変の眼窩内および頭蓋内進展が疑われる場合には,Gd-DTPAなどの増強剤を用いたT1強調画像の撮像が必要である。現状では,CTやMRIの所見を総合しても確定組織診断に至ることは少なく,病変の分布と進展とが主要な診断の対象である5)。
CTとMRIとは,鼻・副鼻腔の腫瘍性病変の診断においてはおそらく相補的な役割を果たし,CTは骨ならびに骨との境界の診断に,MRIは軟部組織の分解能と頭蓋内,あるいは眼窩内進展の診断に有用である1)。しかし,日常の鼻・副鼻腔疾患の多くは慢性炎症性疾患であり,画像診断の目的は手術を前提とした局所解剖,すなわちロードマップであるので,内視鏡下副鼻腔手術を行うには骨の条件の冠状断層CTが最適で,MRIの適応はない1,2)。MRIがCTに優る場合は,細胞数が多く自由水の少ない病変と分泌物(漿液性,粘液性)を多く含み自由水も多い病変の鑑別ができる点にある3)。
鼻・副鼻腔疾患におけるMRIの撮像には,一般にspinecho法(SE法と略)が用いられ,T1強調画像(解剖学的な構造の描出)とT2強調画像(病巣の検出,性状診断)の両者を撮像する。プロトン密度強調画像はT2強調画像と同時に撮像でき,T2強調画像よりS/N比(信号雑音比)が高いので,病巣とその周辺の解剖学的な構造が明瞭に描出され有用な場合がある4)。腫瘍性病変一般,病変の眼窩内および頭蓋内進展が疑われる場合には,Gd-DTPAなどの増強剤を用いたT1強調画像の撮像が必要である。現状では,CTやMRIの所見を総合しても確定組織診断に至ることは少なく,病変の分布と進展とが主要な診断の対象である5)。
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