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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科74巻5号

2002年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度

1.先天性耳瘻孔(管)摘出術

著者: 東尊秀1 星野知之1

所属機関: 1浜松医科大学耳鼻咽喉科学教室

ページ範囲:P.7 - P.10

文献概要

 はじめに
 先天性耳瘻孔は1864年Heusingerにより報告されたとされる比較的高頻度にみられる先天性疾患である。白色人種で0.9%,有色人種で5.2%の頻度で,本邦の報告では1〜14%となっている。両側性に認めることも多い。先天性耳瘻孔は耳介またはその周辺に存在するが,部位別発生頻度については前耳輸部に最も多く,次いで耳輪脚基部,耳前部の順であり,この3部位で大半を占めその他の部位では稀である(図1)1)
 その成因は胎生期に耳介の原基を形成する第1鰓弓,第2鰓弓にそれぞれ生じる6個の小丘の融合不令の結果であるといわれており,どの小丘が融合不全を起こすかにより,本症の発生部位が決定されるといわれている。この奇形は外耳道,鼓膜の原基となる第1鰓溝の深さまで影響しないため,これらの器官や顔面神経を侵すことはない2)。組織学的に瘻管は重層扁平上皮に覆われ,周囲の結合織には毛嚢,汗腺,皮脂腺が存在する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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