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文献詳細

雑誌文献

耳鼻咽喉科・頭頸部外科74巻5号

2002年04月発行

特集 耳鼻咽喉科・頭頸部外科における手術の危険度

2.耳介・外耳道形成術

著者: 西﨑和則1

所属機関: 1岡山大学大学院耳鼻咽喉・頭頸部外科学

ページ範囲:P.11 - P.14

文献概要

 はじめに
 小耳症と外耳道閉鎖症は合併することが多く,小耳症に対して耳介形成術が,外耳道閉鎖症に対して外耳道形成術と鼓室形成術(以下,外耳道・鼓室形成術と略)が,それぞれ独立して行われる。最近では耳介形成術は形成外科で行われることが多く,この疾患に対する治療計画は形成外科医と耳鼻咽喉科医が協力して立案する必要がある。この連携が円滑でないと不要なトラブルの原因となる。何歳で行うか,どちらの手術を優先するか,片側性の場合に外耳道・鼓室形成術を施行するかなどを形成外科医との間で十分に意思統一しておく。
 耳介形成術は形成手術の中で,外耳道・鼓室形成術は耳科手術の中で,それぞれ最も難易度の高い手術の1つである。耳介形成術の結果は本人,家族に一目瞭然であり,また外耳道閉鎖症に対する外耳道・鼓室形成術の結果が必ずしも期待どおりにならないことがある。平均的な術後聴力の改善は約20 dBであるが,なお20〜30 dBの気導骨導差が残る1)。医学の発達に必要以上の期待感をもたれている場合があり,十分なインフォームドコンセントが術前に行われることがリスクマネージメントのうえで最も重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1316

印刷版ISSN:0914-3491

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